不思議な立体展開図「#ヨゲンノトリ」
「敷きつめ」の面白さを、一枚の展開図から様々な立体を組み立てて実感してください
(c) 鳥越眞生也 × 荒木義明
「敷きつめ」の面白さを、一枚の展開図から様々な立体を組み立てて実感してください
(c) 鳥越眞生也 × 荒木義明
疫病退散にご利益があるという双頭の鳥です。頭の色はそれぞれ白と黒で、カラスのような鳥だという。江戸時代末期の石川県に現れて、コレラの流行を予言したという。「私の姿を朝夕に拝めば難を逃れることができるぞ」と語ったと伝えられる。
朝から夕まで家でこのパズルで遊び、外出を控えると、疫病の退散につながるといいですね。
このパズルでは、二つの頭が顔をそらせ別の方向を向いています。まるで喧嘩をしているようです。
2つの頭を向き合わせ、仲直りをさせるには、紙をどう折ればよいでしょうか?
この紙のパズルでは、みなさんに仲直りさせる方法をいろいろ考えて欲しいのです。
折り目を全て山折にして、凹みのない立体を下の図の2通りの方法で作ってみよう!
そもそも一体どうなっているの?という思ったらぜひ読んでください。
この紙パズルは、いくつかの面を貼りわせてできた立体を切りひらいて平面にしたものです。そのような平面図形のことを「展開図」といいます。
小学校2年生くらいになると算数の授業で展開図を習います。もう習ったことがあるなら、展開図といえばどんなもの思い浮かべるでしょうか。
たとえば、サイコロの展開図は、どうでしょう?サイコロは6つある全ての面が正方形の立体です。サイコロを辺に沿って切りひらく場合その展開図(辺展開図と言います)は正方形が六枚くっ付いた形になります。
ここでは、正方形が六枚からなる十字架の形をした展開図を考えましょう。十字の交差点にある正方形を底面として周りの4つの正方形を上に同時におると蓋の開いたサイコロになるのを想像できるでしょうか。あとはその蓋を閉じればサイコロのできあがりです。
さっきは十字架の形をしたサイコロの展開図を考えましたが、それ以外にはないでしょうか?
実は、サイコロには11種類もの辺展開図があります。異なる辺展開図では、サイコロの切りひらく際に通る辺の順番が違うのです。
サイコロ以外にもいろんな立体がありますが、それぞれの立体ごとにたくさんの種類の辺展開図をつくることができます。例えばサイコロの仲間の正20面体になると、4万種類以上です。
こんなにも展開図がたくさんあると、その中にはちょっと変わり者の展開図がいたりしないでしょうか?。
例えば、展開図の組み立てる順番を変えると、別の立体ができあがる...といった変わり者はどうでしょう。立体には切り裂き方次第で出来上がる展開図が複数あるのですから、その逆もしかり?展開図にも組み立て方次第で出来上がる立体が複数あってもおかしくないでしょう。
実は、膨大な数の展開図をコンピュータで調べてみると、実際にそのような例をみつけることができます。その中でも簡単で、面白い立体が作れる展開図を今回パズルとしています。
小学校で習う「展開図」と侮るなかれ、現代数学やデザインなど多様な世界につながる入り口でもあります。ここではいくつかの参考になる情報をまとめておきます。
平安時代の長篇恋愛小説、源氏物語をご存知でしょうか?
この源氏物語は、主人公光源氏の両親の話から始まります。主人公の父親である帝と、母親である桐壺更衣の話が源氏物語の第1章です。
仲睦まじい二人は「来世生まれ変わっても、中国の伝説のつがいの鳥となろう」と誓い合ったといいます。
ここに出てくる伝説の鳥が、今回の立体パズルの名前でもある「比翼の鳥」(ひよくのとり)なのです。
この紙のパズルに描かれた白い鳥と橙色の鳥は、いつも一緒の仲良しの夫婦です。
ところが今は、2羽は顔をそらせ別の方向を向いています。
2羽を向き合わせ、仲直りをさせるには、紙をどう折ればよいでしょうか?
この紙のパズルでは、みなさんに仲直りさせる方法をいろいろ考えて欲しいのです。